園の想い・特徴

「つ育」×「原始体験」×「憧れ体験」

 『つ育』とは、「つ」のつく歳(一つ二つ三つ…七つ八つ九つ)までの教育保育のことです。「三つ子の魂百までも」という言葉があるように、生まれてから小学校4年生までの9歳までというのは、人間形成の基礎の大部分を占めています。今の自分はどのように育ち、どのように出来上がったのかを振り返るとよくわかります。その根本(素の自分)である今の性格や得手不得手は9歳の頃からあまり変わっていないのではないでしょうか。もし変わっているとしたら、それは、社会性というスイッチがオンになっているから自分の良さも悪さも理解しながらコントロールして社会生活を送っているのです。だからこそ、9歳までの基礎づくりが大切なのです。

 それらを最大限活かすためには、原始体験を通して、感覚記憶(『五感』:視覚・嗅覚・聴覚・味覚・触覚+『第6感』:洞察力と察知力)の基礎を身につけ、就学後から徐々に知識や技術を本格的に身につけていき、それらを組み合わせ応用していきます。『健康』で『社会性』のある人財になるために・・・特に9歳までには、遊びの中の人との関わりを通して、気持ちの「振り子体験」、何もないから遊びを創造する「原始体験」、体の感覚機能を刺激する「感覚体験」をしてほしいと考えています。そしてこれらの体験は、心(メンタル)×体(フィジカル)×思考(シンキング)の柔軟性を育てその子の可能性を拡げます。さらにそれらを未来へつなぐために「大人ってかっこいい!」と思ってもらえるような「憧れ体験」が社会への架け橋となることを期待しています。一番の憧れの存在であるお父さん、お母さんの姿が未来を創造するのかもしれませんね。

教育理念 (子どもの将来を見据えた教育に対する考え方)

「遊びの中の人との関わりを通して、日本の未来を創造する子どもたちを『健康』で『社会性』のある人財に育てます」~心(メンタル)×体(フィジカル)×思考(シンキング)の柔軟性~

 2020年の教育改革に伴い高校と大学の教育内容が大きく変わるとされています。そこで重要視されてくるのが『認知能力(IQ)』と『非認知能力(性格や対人スキル、コミュニケーション能力、自己管理能力、向上心など、生きる力・意欲)』です。そして、『非認知能力』は、幼児期までに大きく成長し、『非認知能力』を高めることで『認知能力』もおのずと高まると言われています。つまり、幼児期に非認知能力を高めておくことは、とてもとても大切なことなのです。

 私たちはこれまで、子どもたちの『非認知能力』を育てるために園生活の中で遊びの中の人との関わりや集団活動、教育活動を通して行ってきました。日本国内でも多種多様な性格、基準、価値観を持つ人が増えてきましたが、インターネットやSNSの発展で今後ますます国際化が進み、いろいろな考えを持つ人と社会で繋がる時代になっていきます。自他共にその基準や価値観、考え方を認め合い、自分の気持ちも大切にしながら上手く表現していかなくてはいけません。それは、今、社会全体が抱えている問題の一つだと言えます。

 そこで当園では、対人スキルを身につける一つの方法として『アサーション教育』(アサーションとは、自分も相手も大切にする、自己表現のこと)を日々の生活の中に取り入れて行っています。また、それと同様に『問題解決能力』(問題を解決する力)、『思考力と創造力』(新しいものを生み出す力)を育てるよう意識して教育をしています。

教育方針 (私たちが大切にしている教育に対する基本姿勢)

「のびのび」:遊ぶ時は遊ぶ、やる時はやるメリハリある『けじめの心』

振り子と同じように『気持ち』もその両方を体験することで本当の『気持ち』や『感覚』を知ることができます。どういうことか?というと、「嬉しい」は「悲しい」を経験したことがあるから、「熱い」は「冷たい」を感じたことがあるから、それらの『気持ち』や『感覚』がより理解されるということです。集団生活の中(遊びの中の人との関わり)では「やりたい時にできない」「やりたくない時にやらなければならない」という『自律体験』を通して、ルールやマナー(社会性の一つ)を身につけるだけでなく、自らを律し感情をコントロールする経験ができます。遊ぶ時は思いっきり遊び(込む)、やる時は(集中して)やるということをバランスよく生活の中に取り入れることで集中力や活動のメリハリをつけることができます。子ども(大人も)が、家と園(学校や職場)で様子が違うのは社会性(よそ行き用)のスイッチのオンオフを入れ替えているからです。

「いきいき」:興味、関心、好奇心のある『挑戦する心』

子どもは生まれながらに、興味、関心、好奇心(なんで?どうして?なんだろう?)があるものです。これらは子どもたちの成長の芽(いわば、『挑戦する心』)です。五感をフルに使ってこの成長の芽を育てることが私たちの大切な役割の一つです。

「たくましく」:自分のことは自分で、相手を思いやる『自立と自律の心』

「目をかけ、気をかけ、手をかけず」(いつも見ているよ、いつも気にしているよ、いつも応援しているよ)を意識しながら、私たちは子どもたちと関わっています。成長は、過剰に援助してしまうことでこれから育とうとする成長の芽を摘んでしまうことがあります。子どもの頑張りに少しの援助をすることで自立し、人との関わりを通して自分の気持ちも大切にしながらうまく表現し、相手の気持ちを知ることで自律の心を育てています。